総花的国家安全保障戦略
12月16日に安保三文書が閣議決定されました、この中で国家安全保障戦略について述べたいと思います。
題名にも記したように防衛予算を倍増する方針でありながら総花的であると言うのが当方の印象です。
まず、「II.我が国の国家安全保障に関する基本的な原則」の「2 経済成長を通じて我が国と国民の更なる繁栄を実現する。そのことにより、我が国の平和と安全をより強固なものとする。」と言う下りです。これから増税し防衛費を倍増させるのに経済成長をする、つまりは、どちらも上手く出来るという矛盾めいたことが書かれています。
次に「VI.我が国が優先する戦略的なアプローチ」の「1 我が国の安全保障に関わる総合的な国力の主な要素」で第一に外交力、第二に防衛力、第三に経済力、第四に技術力、第五に情報力としており、その中で、ODAの戦略的な活用や人的交流等の促進です。先にも上げたように防衛予算を倍増するに至ったのは「国際秩序に挑戦する動きの加速」によるところのはずです。これでも、悠長に第一の外交力でODAの戦略的な活用や人的交流を促進するのだそうです。ODAや人的交流予算などもう出せる状況ではないと思います。
最後に「VI.我が国が優先する戦略的なアプローチ」の「2 戦略的なアプローチとそれを構成する主な方策」の中に有る「(4) 我が国を全方位でシームレスに守るための取組の強化」です。つまり、全方位=総花的です。
これらのように予算が限られているはずなのに国家安全保障戦略は総花的なのです。
結局の所、公開する国家安全保障戦略になると皆に良い顔をしたいため経済も外交も防衛も総花的になるのでしょうか、それなら一層のこともっとタイトな予算ぎめで国家安全保障戦略は非公開にしたほうがマシです。そうすると民主主義国家内では信認が得られず進んでゆかないかもしれませんが。もっと順番を考えましたという国家安全保障戦略にはならないものかと悲観してしまいます。
この国家安全保障戦略には他にも異議が多数ありますが、逐一書いていると膨大になってしまうのでこの程度にしておきたいと思います。
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