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2022年5月 8日 (日)

脱炭素化コストが素材産業で24兆円だそうだ

 2022年05年06日のNHKのニュースを見ていたら「温室効果ガス実質ゼロ実現 素材産業で24兆円必要 経産省試算」で、

 ▽鉄鋼業で10兆円、▽化学産業で7兆4000億円、▽セメントで4兆2000億円、▽製紙産業で2兆4000億円となり、素材産業全体で24兆円となっています。
 このため、政府は脱炭素に向けた技術開発を支援する2兆円の基金を設けています。
 この基金を活用し、例えば鉄鋼メーカーに対しては製鉄の際に二酸化炭素を排出する石炭の代わりに水素を使う研究開発を後押ししています。

だそうです。
 鉄鋼業は石炭を利用して製鉄を行っていますから水素還元型にすることが対策でしょうがこれは温度を上げることが難しくコークス(石炭)との混焼すら課題と言っている技術です。化学は石油化学が主体のはずでありこれをどう転換するのか不明です。セメントも石灰(炭酸カルシウムCaCO3)からの焼成して生石灰(酸化カルシウムCaO)を作るため石灰からのCO2排出分と焼成にかかるエネルギーが必要となりますので、これもどの部分を脱炭素化するのか不明です。最後に製紙産業でこれは木材からセルロースを取り出しノリで固めることで作るのでどこでエネルギーが必要なのか不明です。紙を乾かすときでしょうか。
 と、言うわけで経産省のWebページを当たっていみると「新・素材産業ビジョン(中間整理) 令和4年4月製造産業局」がヒットしました。この中で「④2050年カーボンニュートラルに向けた生産プロセス転換」として必要額は載っているのですがどのようにして脱炭素化を進めるのかは一向に分かりません。
 この辺は、政府、マスコミに詳細な説明をして欲しいところです。
 愚痴ばかり言ってもわからないので、検索を続けてみます。「化学産業における地球温暖化対策の取組み~低炭素社会実行計画 2020年度実績報告~2022年 1月 11日一般社団法人 日本化学工業協会」がヒットしました。この中で生産に関わるものは①人口光合成と②バイオマス利活用になります。人口光合成は光触媒で水素を発生させ化学コンビナートで排出した二酸化炭素を捕集し化学合成するというもののようです。二酸化炭素回収貯留・有効利用を具体化したものです。こんなこと、本当に出来るのでしょうか。人口光合成より光合成のほうが効率的ではないでしょうか。また、とても2050年までに達成可能なようには思われません。化学産業7兆4000億円はどうやって試算したのでしょう。
 さらに、セメントについて検索をすると経産省Webページに「脱炭素化への移行に向け、トランジション・ファイナンスに関するセメント、紙・パルプ分野におけるロードマップを取りまとめました2022年3月24日」がヒットしました。その中の、“「トランジションファイナンス」に関するセメント分野における技術ロードマップ2022年3月経済産業省”によると非エネルギー由来のCO2(炭酸水素カルシウムから酸化カルシウムになる際でるCO2)約2,533万トン、エネルギー由来のCO2約1,655万トン合計約4200万トンがセメント産業から排出されているそうです。
 これに対する対策は、①コンクリートの再利用、②CO2の回収、③バイオマス・天然ガス・アンモニアの活用、④合成メタンの生成活用の様です。結局の所、バイオマス以外は完全な脱炭素化にはならないようです。また、焼成に1,450度と高温が必要なため水素やアンモニアのみによる焼成は出来ないようです。非エネルギー由来エネルギー由来ともに2050年脱炭素化は無理そうです。どこに4兆2000億円もの巨費がかかるのかは不明です。化学産業のように人口光合成だなどと途方もない技術を出していないだけ良心的と思います。
 さて、次は製紙産業ですがこれも経産省Webページ「脱炭素化への移行に向け、トランジション・ファイナンスに関するセメント、紙・パルプ分野におけるロードマップを取りまとめました2022年3月24日」にある“「トランジション・ファイナンス」に関する紙・パルプ分野における技術ロードマップ2022年3月経済産業省”を見てみました。すると、動力としての電力の他、木材の蒸解と紙への乾燥工程で熱を主に必要とするためエネルギーが必要となるそうです。なお、黒液(リグニン等)回収工程では消費量以上のエネルギーを得ることができるそうです。
 これに対する対策は、①省エネルギー化、②再生可能エネルギーの利用、③カーボンニュートラルなガス及びプラスチック等の廃棄物エネルギー利用、④二酸化炭素回収貯留・有効利用の様です。ここでも、再生可能エネルギー利用や水素(カーボンニュートラルなガス)利用と考えられますが蒸解や乾燥に利用するため比較的低い温度でも利用可能であるため水素利用やアンモニア利用が可能かもしれません。当方は、ソーラーポンドの利用や原子力発電所に併設して熱エネルギーの直接利用をすることを考えてみても良いのではと思いました。それでも、2兆4000億円はどうやって試算したかは不明です。しかし、2050年までに脱炭素化の芽はありそうです。
 そんな感じで、結局、製紙産業を除いてどの素材産業も2050年までに相当な技術革新でもない限り脱炭素化の目処は建たないようです。
 当方、思いますに現状の技術の省エネ化と技術の蓄積を少々する程度で十分のような気がします。後は、当方のWebページ「イントロンの暴走 Ⅳ興味の有ること 5.製造エネルギー」でも示しているように鉄とコンクリートは木材と代替可能であり、出来るだけ木材利用をすることが脱炭素化には重要と改めて感じるところです。

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