サイエンスZERO「脱炭素のトップランナー CO2回収技術大集合」を見て
ちょっと前になりますが2021年11月28日にNHKのEテレで放送されたサイエンスZERO「脱炭素のトップランナー CO2回収技術大集合」を見て、あまりにも内容に違和感を覚えたのでつらつら書いてみたいと思います。
本放送では、表題の通り脱炭素技術としてCO2回収技術を取り扱ったものですが、どの技術を見ても回収には相当なエネルギーが必要そうでライフサイクルアセスメント上の問題がありそうです。こんな無駄な努力に、日本のリソースである英知と財力を結集してはたして良い物か大変疑問に感じます。
まず、CO2を回収して地中に埋める技術についてCO2回収の段階で「アミン溶液」を使います。これははたして製造にどれぐらいエネルギーを使うものなのでしょうか。CO2をアミンに吸着させて取り出すときに熱を加えなければならないそうで、本放送で紹介していた技術を使えば60℃で取り出せるそうですがそれでも熱エネルギーが必要です。60℃なら廃熱利用で十分まかなえるとしていましたが、そもそも脱炭素を目指す段階でその廃熱はどこから得られるのでしょうか。
次に、ムーンショット・プロジェクトでは回収したCO2を資源化すると言っていますがCO2から再び有機物を作り出すには相当なエネルギーが必要です。そのエネルギーはどこから来るのでしょうか。太陽光利用であれば植物由来の方が効率は良さそうです。
三番目に薄膜からCO2を取り出す技術を紹介していましたがこれも多少の圧力を膜にかける必要があるものと思います。どの程度かかるのかは疑問です。さらに、ここから取り出したCO2をに電気エネルギーを加えてエタノールにするそうです。繰り返しになりますがCO2にエネルギーを加えてエタノール(有機物)を作るには損失も発生します。植物からメタノール、エタノールの生成や油脂の抽出をした方がはるかに効率が良さそうです。
四番目にコンクリートへの封じ込めです。放送の中でもでていましたが、そもそも「コンクリートの原料であるセメントを作る際に、1400度くらいの温度が必要となるため、どうしても二酸化炭素を大量に放出してしまいます。世界の二酸化炭素排出量の7パーセントほどがセメントを作る過程で出ているという報告もあります」としています。これも、コンクリートのライフサイクルアセスメントをしっかり明白にし、代替可能なものはカーボンニュートラルな木質資材やリサイクルのやりやすい金属資材に置き換えるべきだと思います。その時点に立ってはじめてリサイクルの話が出てくるのではないでしょうか。
そんな感じで、CO2の回収やリサイクルには莫大なエネルギーが必要であり、今回の放送は目がくらむほど異議ありという感じです。![]()
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