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2020年10月31日 (土)

2050年の温室効果ガス排出0なんて無理じゃないの

 10月26日菅義偉首相の所信表明演説で、2050年の温室効果ガス排出目標を「実質ゼロ」と明言したそうです。当方はこれを無理だと思います。
 第一に、運転では二酸化炭素を出さない原子力エネルギーがありますが、安全性に問題があります。
 第二に、自然エネルギーにどれだけ依存できるかの問題があります。
 第三に、鉄の生産及び建設機械や輸送機器などの燃料、特に飛行機燃料の問題があります。
 第一の原子力エネルギーですが、これは現在のところ電気エネルギー以外は利用できる目途がなくそれが利用できても地震国である日本では安全性に問題があります。それを安全基準をあげて実現しますと、言うことなのでしょうが東日本大震災の例のごとく想定範囲外での地震・津波等が現実に起きている現在となっては日本にどのような安全基準を設けても不安が残ります。
 そこまでするのであれば、プレートの沈み込みの激しい我が国よりも地盤の安定した外国で原子力発電所を建設し送電線を敷設し電力の供給を受けると言う案も考えられますが、我が国の周りを見渡してみて永続的な友好国は見られません。韓国?イヤー、中国?まさか、ロシア?これもねー。
 と、言うことで原子力エネルギーについてはいささか問題有りというのが当方の考えです。
 第二に、自然エネルギーですがこれは江戸時代に散々やってきて結局、明治維新以降化石エネルギーに依存すると言う歴史があります。例えば製鉄ですがこれには多量の炭が必要でしたし、製塩では太陽熱エネルギーを利用した入浜式製塩にあっても最終的な塩の結晶化には大量の薪を必要とし、結局のところ日本を禿げ山だらけにしたと言う過去があります。また、畜力はエネルギー効率は良いものと思われますが取扱がデリケートで現在利用されていないことみれば過去に戻ることは難しいでしょう。その過去より現在の方が自然エネルギーを圧倒的に効率よく利用できるという確証があるでしょうか。まずは、その事を示してもらいたいものです。
 自然エネルギーと言えば直ぐに太陽光発電や風力発電に目を奪われがちですが、そのライフサイクルアセスメント(出来るまでの建設・製造エネルギーと産出されるエネルギーの収支)を十分示して欲しいところがあります。
 風車はアルミ製または鋼製と思われますが、既に耐用年数を過ぎ事故を起こした事例があるやに聞いております。これらは、本当にライフサイクルアセスメント上かなっているのか十分説明が必要です。
 あと、当方は太陽熱エネルギーを出来るだけ住まいの空調や給湯に生かせるようするべきではないかと思っていますが、これに関しては日本では太陽光発電が重視される傾向があります。太陽熱エネルギー利用と太陽光エネルギー利用の効率はどちらがライフサイクルアセスメント上有利なのか示して欲しいところがあります。
 第三に、鉄の生産や輸送機械等の燃料です。鉄の生産には現在のところ石炭が必須で有り日本国内のエネルギーは2011年段階で12.5%(資源エネルギー庁Webページより試算)となっており、このほとんどが石炭エネルギーと思われます。これを水素に置き換えるか海外に工場を移転するなどして2050までに0にすることはほぼ無理なことと思われます。それは、鉄鉱石の水素還元技術開発がどの程度進んでいるのか、鉄の生産設備の規模によるところや耐用年数的に成り立つのかと言うところがあるからです。また、同様に化学製品の製造にも鉄以上のエネルギーが使われておりこれは石油エネルギーがほとんどと思われます。石油は炭化水素で当然二酸化炭素を排出します。
 輸送機等の燃料についてですが、これは、一部、自家用車は電気エネルギーとなっていますが、建設機械や輸送機械などは重油、軽油、ケロシン(航空燃料)、ガソリンがそのほとんどでこれらは石油精製燃料でありつまりは炭化水素となっています。これらをすべてを電気エネルギーや水素エネルギーに転換することは可能でしょうか。特に飛行機は軽量でなくてはならないことや、安全性を重視する必要も有り開発に長い年月がかかることは三菱スーペースジェット(旧MRJ)を見ても明らかです。船舶についても同様で、現在大型船では天然ガスエンジンが作られつつありますがこれとてメタンガスが主で水素割合が高いとは言え炭化水素です。また、大型船舶については開発と耐用年数上2050年までの水素エネルギーなどへの切替が上手くゆくようにはとても思えません。
 最後に、常日頃より申し上げていますが日本は現在支那(中国)との反目が激しくなっており、有事の際のために石炭備蓄やインドネシアやオーストラリア等の近場にあるエネルギーとして石炭利用可能な体制の構築を進める必要があると考えています。2050年までに温室効果ガス実質0を目指すことは亡国につながるのではと危惧します。


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