NHKスペシャル「激変する世界ビジネス“脱炭素革命”の衝撃」を見て
12月17日に放送されたNHKスペシャル「激変する世界ビジネス“脱炭素革命”の衝撃」を見て感じたことを遅ればせながら書いてみます。
まず、“脱他炭素革命”と銘打っているのですがそれは、自然エネルギーがこれからの本流であることが前提になっていていささか疑問に感じてしまうので調べてみました。番組の中で主に出てきたのは太陽光発電と風力発電ですが本当に投入したエネルギーに対して出力エネルギーが上回るのかという疑問がわいてきます。いわゆるライフサイクルアセスメントの観点です。
「電力」「ライフサイクルアセスメント」でググってみると5番目に「電源別のライフサイクル CO 排出量を評価 - 電力中央研究所」が出てきます。これによると、太陽光発電38g-CO2/kWhで風力発電が25g-CO2/kWhそれに対してLNG(天然ガス)複合火力474g-CO2/kWh、石油火力783g-CO2/kWh、石炭火力943g-CO2/kWhとなっています。この数字は本当なのかといささか頭をかしげてしまいます。
それは、生物40億年の歴史により選出されてきた植物より出来たバイオマスが回収段階での労力で苦戦していること。太陽光発電では受光面への埃に対しての問題もあります。仁尾に作った太陽熱発電はそれで失敗しています。もう一つの、風力発電ですが、これはライフサイクルアセスメントの他に本当に必要量が日本に存在しているのかと言った問題が考えられます。結局、当方が思っているのは江戸時代に散々、太陽エネルギー利用を進めてきたのですが、出来たのは禿げ山です。現代の科学力が幾ら発達しているとはいへどうもここら辺からの疑問が私にはわいてくるのです。これに対して番組では何ら回答は示されていないのです。
もう一つが、太陽熱利用の観点です。なぜか、太陽光発電に関心が向かってしまい太陽熱利用がおろそかにされているように思えます。暖房、給湯や乾燥などは比較的低熱源でも利用可能です。デシカント冷房では熱源から冷房に変換することも可能ですがそういったことは番組ではおざなりです。
さらに、石炭火力発電所の問いかけです。番組では執拗に石炭を悪者にしています。確かに石炭はライフサクイクルアセスメント上は、化石燃料として炭化水素にすら勝てないのは明白です。しかし、我が国ではエネルギー安全保障上、多様なエネルギーに依存すべきで石炭利用もその一つかと思えるのです。他国でも考え方は同じでしょう。
以上のように何だかこの番組には違和感を覚えるのでした。









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