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2017年4月 9日 (日)

『「太平洋戦争」アメリカに嵌められた日本』マックス・フォン・シュラー著(WAC BUNKO)を読んで

  『「太平洋戦争」アメリカに嵌められた日本』には表題の内容のみではなく多岐にわたって一般的な米国人の考え方が示されています。

 

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 まあ、米国人は色々いるので一般的と言っても説明しにくいようですが、アングロサクソン系の白人でキリスト教のプロテスタントの信者と言うことの様です。
 さて、本の帯にも、
米国籍・米国人の私が、袋叩きにあおうとも真実を語ろう!
と、書かれているとおり著者は本にこんなことまで書いて米国に戻れるのだろうかと心配になってしまいます。
 まず、米国の宗教観ですが、p16に
これは「神様はアメリカを選んだ」という宗教的信念に基づき、「アメリカを世界で最上位の国」と位置づけることで成り立っている。つまり、世界は最上位の国アメリカとその下にある他の国で構成され、最上位ゆえに他の国と違ってアメリカはいろいろな「例外」があると考えるのだ。
としています。何だか中華思想に似てるところもある様な・・・
 次に、ちょっと驚いたことに宗教の性に与える影響がp43に示されています。
 アメリカの根の文化では、基本的にセックスを楽しむことが罪である。これはアメリカのキリスト教から来ていて、「子供をつくるためにはしょうがないけれども楽しんではいけない」とする宗派が多い。性の自由も一応、知っていると言うけれど、深いところではそう考えている。アメリカ人のほうがセックスに関してフリーだと日本人はイメージするが、違う。
それは、従軍慰安婦の話につながってゆきます。p142に
第二次世界大戦のときのドイツ軍にもいたし、「フランスのベトナム戦争のときのフランス軍にもいた。・・・中略・・・
「アメリカのベトナム戦争」では「売春宿」と呼ばれる場所がアメリカ軍の基地内にあり、売春婦がいた。・・・中略・・・
 軍人相手の売春は、アメリカの陸軍にしろ海軍にしろ必ずあった。しかし建前上、そういう制度は存在しないことになっている。だから、「売春婦を買ったのではないか」と言われたら、「あれは自由恋愛だ」と応じる。なぜ、そんな言い訳をするのか。アメリカで「売春」は公の場で口に出すことが憚られることであり、売春に関係したことはアメリカ軍にとって「不都合な真実」だからである。
 なぜ、売春に対して厳しい目があるのかというと、何といっても宗教の影響が大きい。
と、しており公然とは言えない雰囲気があることが分かります。どおりで戦争映画などでは売春の話がいっぱい出てくるのに慰安婦問題では日本の意見をはねつけるわけです。米国も全てが透明というわけではなく本音と建て前がある実態が分かってきます。
 著者もp145に
日本人がアメリカ人と慰安婦問題を論ずる時は強制ではなかったのだということを論じるのではなく、この宗教観とフェミニズムを想定して論じなければならないだろう。
と、しています。なんかこの論理でも従軍慰安婦を認めた時点で悪になることは必定であるので日本人としてモヤモヤが晴れることはないのでしょう。しかし、米国人の宗教観を理解することは米国を相手にするためには重要であると感じてしまいます。このことは、米軍のレイプ問題にも著者が言及することとなっています。
 三つ目に、話を本の表題になっている太平洋戦争(大東亜戦争)の話に移します。まず、太平洋戦争(大東亜戦争)が起きた遠因について、著者は米国のフィリピン西進と、日本が第一次世界大戦で獲得した南洋諸島との交差や石油を求めてインドネシアに進出した際にフィリピンとぶつかることから火種になることを第一としてあげています。その次に、中国(シナ)と米国の関係です。p76から、
一九一一年に辛亥革命が起こったが、一九一三年に中国の革命政府は世界中のプロテスタントのキリスト教会に対して「自分たちの革命が成功するよう、祈ってほしい」と求めた。これをアメリカの宣教師はとても喜んだ。・・・中略・・・
「助けてください」を「私はあなたの教えに従います」というメッセージだと理解しても不思議ではない。実際アメリカ人は中国人がすり寄ってきたと感じた。・・・中略・・・
 アメリカの宣教師たちは徐々に「中国は素晴らしい国である」と説教をするようになり、中国にいる宣教師が新聞に投稿して記事になったりし始めた。・・・後略・・・
と、米国がシナを従属国となることを期待をしていたことが分かります。一方、日本にはキリスト教も浸透せず。p80に
 ウィルソン大統領は中国人の宣伝活動によって、日本という非白人の非キリスト教国が「白人支配」という当たり前の法則に挑戦していると捉え、「中国は善、日本は悪」と考えるようになった。そして、中国を守る責任を感じた。それはアメリカ人の思いでもある。
と、日本に悪感情を持つようになったことを示しています。p86には、
 アメリカでは事実を丁寧に確認することより、英語で言う「assume(勝手に考える)」が普通である。証拠がなくても、「日本が戦艦をつくっている。アジア大陸に覇権を広げている。だから危ない」と言われたら、疑いもせずに信じる人は少なくない。このような社会だから、「日本の悪魔化」はアメリカ政府の政策によってではなく、アメリカの文化が醸成したと言えるだろう。
中国を守る責任感と共に日本に対する悪感情を醸成したことが考えられています。
さらに、p94には日本に戦争をはじめさせる計画が示されています。孫引きになりますが、

 

 それはアーサー・マッカラム海軍少佐のつくった覚書でロバート・B・スティネットの『真珠湾の真実』に載っているが、「日本に戦争を始めさせる八つの計画」と呼べるものだった。

一 アメリカは英国の軍港、特にシンガポールの使用について英国と協定を結ぶ。
二 オランダ領東インドにある基地を利用できる協定をオランダと結ぶ。
三 中国の蒋介石政府をできるだけ援助する。
四 東洋にアメリカ海軍巡洋艦隊を派遣する(・・・中略・・・)。
五 太平洋の基地にアメリカ海軍の潜水艦を増やす。
六 太平洋艦隊をハワイに配属する。
七 オランダ領東インドから日本への石油の輸出を禁止する。
八 アメリカから日本への石油の輸出を禁止する。
と言う内容のもので、日本への悪感情により日本から戦端を切るように仕向けるようにしてものです。これについては、「大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか」でも別のことが示されています。
 また、太平洋戦争(大東亜戦争)を始めることを止められたかと言うことに対しても著者はp99に
「日本にアメリカとの戦争を避ける選択肢はなかったのか」と日本人からしばしば質問される。私の答えは「なかったと思います」だ。トップのルーズベルト大統領、外交の責任者であるハル国務長官、そして強硬派のスティムソン陸軍長官という権力の中枢にいる三人が、日本との戦争を望んでいたことがその理由である。
と、しています。先に感想を書いた「戦争を始めるのは誰か」でも、フランクリン・デラノ・ルーズベルトがシナの国民党に肩入れをし日本に戦争になるよう挑発したことが示されています。日本でよく軍部が増長したから戦争になったと言うのは少々一方的すぎるようです。米国の日本への戦争を仕掛けた理由としては「大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか」ではヨーロッパ戦線への介入のため、「戦争を始めるのは誰か」ではニューディール政策の失敗隠しをあげていました。本書では先にも示しましたシナの国民党が米国に従属的な態度で振るまい、日本は白人支配の挑戦者であること、日本の第一次世界大戦での太平洋への進出は米国のフィリピン支配と経路が交錯したことを理由にあげています。
 さて、本書では米国人の考え方を色々示して、今まで書いたこと以外に水問題やそれに絡めた食糧問題、さらにはシェールオイルを含めたエネルギー問題等々述べていますので手にとって米国人のことを考えてみてはと思います。

 

 

 

 

 

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