「原油暴落で変わる世界」藤 和彦 著(日本経済新聞出版社)を読んで
この本は、このところの原油価格の急落は、米国発のシェールオイル・ガス革命を始めとした生産国の供給過剰が起こしており、あまりに急激で、高い採算ラインで掘っているシェールオイルは債権を利用しているため、金融危機を引き起こしかねないとの懸念をもたれているようです。
それでは、日本はと言うとこの期を見て安定した石油、天然ガスの生産国であるロシアからのパイプライン(LNGではなく)により天然ガスを導入してはどうかとの提案です。
と言うのも、西欧では旧ソ連時代から安定的にガスの供給を受けていた例を示し日本に対してもパイプラインであれば戦略物資として輸出を止める可能性は小さく、更にロシアとの連携が確立すれば今後覇権を増してくる中国への牽制にもなるとの考えです。当然、エネルギーの中東依存度を減らせるとの考えもあります。
また、米国も日本とロシアの連携を推奨しているのではとの見方を著名人の主張を引用して示しています。
私としては、ロシアがそう簡単に信用できるのかとの印象ですが、中国があまりにも酷いのでロシアとの連携がうまく行く可能性があるならやる価値はあるという感じでしょうか。あと、私は前に「石炭依存を強めては」と書いたのですがそれも石油の中東依存を減らすために発想したものなのでパイプラインによる天然ガスの輸入も当然、是となります。ただし、石炭の方が備蓄には向いていると思うのでいくら天然ガスが安定的に得られるとしてもそのあたりは適正な配分を考えなくてはならないと思いますが。
こなれない要約を書いてしまったので詳しくは本書を手にとってはと思います。
あと、当方この本をもう少し早く手に取っていればと言うところがあります。それは、p22
原油価格の下落は他のコモディティー価格の下落に波及しており、
とか、p30
今回の原油価格急落を受けて、今後10年間の原油価格は1バレル=20ドルから50ドルの間で推移するとの見方が出ているが、筆者もこれに与するひとりである。
と、しており私はコモディティー関連ファンドやエネルギー関連ファンドに傾注して投資しているため少なからずの損害を出しており、全体で増加率は5%弱と以前示した20%チョットから急減しています。それでも預貯金に比べればましですが。(参考 日経平均株価17,880.51 WTI45ドル/バレル)
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