「尖閣戦争」西尾幹二 青木直人 共著 を読んで
この本は、先の尖閣諸島での中国漁船衝突事件を端緒として日本が中国及び米国に何をされているのか、そして、中米との付き合い方を示した本だと思います。
副題にも“米中はさみ撃ちにあった日本”と、有るように米国と中国が手を組んで国益や国家意識より対処していることを示しています。
米国からは日本が攻撃力を持たないようにすることと日本にお金を出させようとすること、中国からは尖閣諸島をはじめとする領土侵略についてと当然日本が攻撃力を持たないことが特に各々の国益にかなっていることを示しています。
他にも、103頁6行目
日本との貿易でアメリカが絶えず口にしていた非関税障壁とか、文化の違いとか、異質性とか、アンフェアであるかどうかとかそういう非難の声は中国には向けられていません。
とか90頁からの中国の通貨である元が低く抑えられたままなのは米国企業の為であるとかこの本では指摘しています。
また、日本は、中国に対抗するよう講じるべき考え方としてODAやアジア開発銀行からの融資などの援助を再考する構えを見せたり、ODAの中身をホームページで中国語化して掲載し宣伝する等、直接的には国境防衛のための領域警備法の制定等が示されています。
他にも色々な事象や考え方が示されているので読んでみてください。
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